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粉飾決算や横領が発覚した場合に行うべき調査とは?
粉飾決算や横領といった不正行為は、企業に多大な損害を与えたり、深刻なトラブルに発展したりする可能性があります。
この記事では、粉飾決算や横領が発覚した場合に行われる調査方法について解説します。
粉飾決算や横領が発覚した場合に行われる調査とは
粉飾決算や横領が発覚した場合、企業や関係機関は不正行為の事実確認と関与した者を徹底的に調べる必要があります。
また、関与した者が企業に多大な損害を与えた場合には、法的責任を追及する可能性も視野に入れて調査されることが一般的です。
粉飾決算や横領が発覚した際にはどのような調査を行うのか、経験した方でなければわからないので具体的に5つの調査方法をご紹介します。
事実確認と証拠収集
粉飾決済や横領が実際に行われていたのかを確認するために、財務諸表や帳簿類、伝票、取引記録などを調査し、不自然な取引や記載内容がないかをチェックします。
また、現金や資産の管理記録、契約書、メモ書き、監視カメラ映像などの物的証拠も収集します。
関係者への聞き取り調査
不正行為が行われていた事実確認や関与した者を特定するため、関係者に対して聞き取り調査を行います。
状況によっては社内の関係者だけでなく、外部の関係者にも聞き取り調査を実施し、粉飾決算や横領の事実確認を行います。
フォレンジック調査
粉飾決済や横領におけるフォレンジック調査では、メールやチャット、USBメモリ、電子帳簿などのデジタルデータから不正行為の証拠や経緯を調べます。
調査によって得られた情報は、法廷で証拠として活用できます。
財務諸表などの分析調査
粉飾決算や横領が発覚した場合は、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を再計算して調査します。
不自然なお金の流れや架空請求がないか、原価率や利益率に異常がないかなど、通常の業務ではありえない取引内容を調べます。
調査後に行うこと
粉飾決算や横領が発覚した際の調査結果に基づき、以下の対応を行います。
・法的措置の適用を検討する
・調査報告書の作成
・再発防止策の策定
・経営陣の責任追及
不正行為に関与していた関係者が企業に多大な損害を与えた場合、社内の処分だけでなく法的措置の適用も検討します。
調査結果をまとめた報告書に基づき、再発防止策を策定します。
また、株主に損害を与える状況に陥った場合は、経営陣の責任追及が求められます。
まとめ
今回は、粉飾決算や横領が発覚した場合に行われる調査について解説しました。
粉飾決済などの不正行為によって企業に大きな損害を与えた場合は、関与した者に対して法的措置も視野に入れて調査する必要があります。
財務諸表に違和感がある場合は、財務情報の信頼性を保証できる公認会計士に相談することをおすすめします。